さつまいものレアチーズケーキ

私の祖母は、今年93歳になります。
認知症の影響もあって、
今は愛媛の病院で入院生活をしていますが、

元気な頃は、趣味で畑仕事をしていました。

祖父母も同居していた私の家族。

両親が共働きだったので、
ちいさい頃には祖父母と過ごすことも多かった。

幼稚園くらいになると、

いい気候の時には、たまに畑に連れていってもらい、

一緒に草むしりをしたり、
種まきを手伝ったり、
見たこともないサイズ感のカエルに心底ビビり散らしたり、

今思うと、とてもいい時間を過ごさせてもらっていました。

小学校くらいになると、
習い事や友達と遊ぶのに忙しく、
もう畑にはほとんど行かなくなりましたが、

おばあちゃんが作ったいろんな野菜(とりわけ玉ねぎ、かぼちゃ、さつまいも!)は相変わらず我が家の食卓に並び、

しかもその季節になると一気にドバッと収穫されるので、
毎日毎日のように同じ材料のおかずが並んでいたりしました。

さつまいもの採れる時期には、
さつまいもの天ぷらに、ごく稀に大学芋。

「ご飯のおかずに大学芋」って、すごく特別じゃないですか?
お母さんがご飯の中盤で大学芋食べてるの見て、
「あ、いっちゃっていいんや…」みたいにこっそり納得してから食べるような、
そんな気持ち。

おばあちゃんの作った大学芋、大好きだったなあ。

大学で東京に行ったら、そこへ送ってくれ、

私がお店をやることになってからは、
その畑で採れたお野菜を神戸に送ってくれていました。

開業当初はランチやケーキに「おばあちゃんの」シリーズがあり、
常連様が密かに楽しみにしてくれているのが、
私も嬉しかった。
(ブログでも、登場回数が結構多いおばあちゃん‥^^)

さすがに80歳も越えた頃、
畑仕事ができるほどの体力が無くなって、
もうやめてしまった畑。

「危ないし、やめたほうがいいよ。」と、
私も伝えていましたが(熱中症で倒れたこともある。ご飯の時間も忘れちゃう…)、
ちょっと寂しい気持ちだったのは間違いありません。

開業2年目、おばあちゃんとお母さんとお姉ちゃんがケシパールにやってきてくれた日。当時出していたランチを晩御飯に。

そこから月日が流れ、
いろんなことがあり、
今の入院状態に至ったのですが、
入院してからすぐコロナ時代に突入。

面会もできず、
できても月に一度画面越しとか、
県外からはダメとか、

なかなか大変な制約の中でしか会話することもできませんでした。

数年前にコロナがようやく明け、
病院の面会がそんなに多逸れた手続きなく直接叶うようになってから1年半ほど。

おばあちゃんに2度ほど直接会いにいきました。

去年末の面会。

会っている間だけの記憶。
帰ったら私がここにいたことも忘れちゃう。
いつまで「おかえり」って、言ってくれるんだろう。
「なっちゃん」ってわかっていてくれるんだろう。

おばあちゃんの中の私が消えてしまっても、
私は、

おばあちゃんとの思い出を、しっかりと心に刻んでおこう。

大好きなおばあちゃん。
厳しく優しく、大きな声で笑う、豪快なおばあちゃん。
小さい頃から一緒にお料理をたくさんしてくれたおばあちゃん。

今年、新作のチーズケーキを作ろうと考えた時に、

ふと、

おばあちゃんのさつまいもを使っていた頃に登場させて以来、
十数年間の間、封印されている「さつまいものレアチーズ」を、
改めて作りたくなりました。
(ケシパ1年目に一度レアも登場させたときに、「材料も限られるさつまいも、ベイクドに絞った方がいいかな」と考えたのです。)

今作る「さつまいもケーキ」はもう、おばあちゃんの畑の味はしないけど、


おばあちゃんが大好きな私の気持ちと、
おばあちゃんとの思い出は色褪せない。

このケーキを作ることで、
大切な思い出を、もう一度私の中で噛み締めようと思い、


初回登場時とは仕上がりが全く違いますが、
おばあちゃんの「大学芋風」の味わいにしました。

ほっこり優しく心地よい。
私の思い出を込めた、特別なチーズケーキ。

ケーキの向こう側の思いごと、
味わってもらえると幸いです。

今から約7年半前。長男誕生後半年くらいで帰省した時のおばあちゃん。この頃はまだ家で過ごしていました。ずっと大好きだよ。

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